建物の気温上昇への適応の必要性⑫/電力需要のピークは夏

日本における電力需要のピークは夏です。冬ではありません。 そして、温暖化による気温上昇と、冷房使用機会の増大で、ピーク時の電力需要が増えていくことが予想されます。 一方で、春や秋の冷暖房がいらないような季節には、電力需要が最も少なくなります…

建物の気温上昇への適応の必要性⑪/2℃下げるのに5℃放出

エアコンで冷房した場合、冷房する空間の温度を2℃下げるのに、その空間の5℃の熱を室外機(ヒートポンプ)から放出していると言われています。 ということは、冷房すればするほど気温上昇につながってしまうということであり、冷房そのものが温暖化を促進しか…

建物の気温上昇への適応の必要性⑩/二酸化炭素排出係数

二酸化炭素排出係数を見てみましょう。 電気は、ガスや灯油の倍以上の係数となっていることが分かります。 つまり、現状の発電事情のままでは、電気が最も多く二酸化炭素を排出するということなのです。 当然、再生可能エネルギーの普及が重要なのですが、そ…

建物の気温上昇への適応の必要性⑨/電気のエネルギー効率

火力発電のエネルギー効率は37%程度にしか過ぎません。一次エネルギーとして使用するガス・石油・石炭の持つエネルギーの実に63%をロスしてしまいます。 一方で、ガスや灯油を直接エネルギーとして使用した場合のエネルギー効率は91%に及びます。 …

建物の気温上昇への適応の必要性⑧/日本の電気は8割が火力

日本の場合、電力の8割近くは、火力発電で賄われています。 ということは、電気を使用する現場では二酸化炭素が排出されなくても、使用している電気をつくるところで二酸化炭素が排出されているということです。 日本の電力事情からすると、決して電気自動…

建物の気温上昇への適応の必要性⑦/電力消費の増大

気温上昇に伴って、冷房設備がなかったところにどんどん設置が進むことで、電力消費が増える。 また、全館空調が普及すれば、局所的及び時間限定で冷房を使用するケースより、電力消費が増える。 そして、更に気温は上昇し、暑さが厳しさを増していく。 この…

建物の気温上昇への適応の必要性⑥/新たに冷房設備導入

暑さが厳しさを増し、熱中症のリスクが高まり、今まで冷房設備を導入していなかった施設、例えば学校や幼稚園にも急速に冷房の設置が進んでいます。 そして、それは教室だけではなく、体育館に及んでいます。 今まで設備がなかったところに導入し、稼働させ…

建物の気温上昇への適応の必要性⑤/冷房使用機会の増大

暑さが厳しさを増すほど、当たり前ですが冷房を使用する回数や時間が増えていくことでしょう。 ところで皆さんは、夏にダウンジャケットを着ますか? 冬は暖かくていいのですが、とてもじゃないですが夏は暑くて着ていられませんね。 夏はそれこそ服を着ない…

建物の気温上昇への適応の必要性④/県南は更に暑く

当然のことですが、県南の将来は今よりも更に暑さが厳しくなるということです。 環境省が作成している2100年夏の予想最高気温によりますと、東京はなんと44℃、凄まじい暑さになることも予想されています。 どうでしょう、今から建物づくりにおける暑さ…

建物の気温上昇への適応の必要性③/県北は大丈夫?

那須塩原市は、温暖化対策を講じなかった場合、2050年には那須塩原市の気温が現在の県南並みになると公表しています。 ということは、県北でも気温40℃が当たり前になってくると考えておいた方が良いのではないでしょうか。 だからこそ、県北においても…

建物の気温上昇への適応の必要性②/栃木の夏は暑い

現在でも栃木の夏の暑さは厳しく、特に県南は日本全国でも有数の暑さとなっています。 佐野は年間の猛暑日記録日数ランキングでも、全国の気温観測地点の中で上位に位置しますし、その日の全国最高気温を記録することも珍しくありません。 そのぐらい暑さが…

建物の気温上昇への適応の必要性①/温暖化による気温上昇

温暖化で気温が上昇してきています。そして、今後も気温上昇が続きます。 世界各国で温暖化対策に取り組んではいるものの、温暖化を抑制は出来ても、抑止することは出来ないでしょう。 つまり、どれだけ気温上昇幅を抑えられるかということです。 そして、気…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その38/汗をかけない体質を防止するために/結び

日本では、出生数が予想を大幅に上回る速さで減少し、その影響で人口減も加速します。 それに伴って働き手も大幅に減り、国力が縮みます。 そこに汗をかけない、かきにくい子ども、若者が増えていけば、日本の国力の低下に拍車をかけることとなるのではない…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その37/今後の家づくりの方向性⑦リフォームでも

既にマイホームをお持ちの方もご心配なく。 既存の建物でも、後から屋根裏又は天井に遮熱材を施工することが可能です。 また、遮熱ガラスを組み入れた内窓を設置することで、窓からの熱の流入を軽減することが可能です。 資料のご請求、お問合せは 株式会社…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その36/今後の家づくりの方向性⑥なぜ壁・床・天井を高遮熱なのか

冬は太陽高度が低くなるので、壁面への直達日射の割合が高まります。 その日射で発生する輻射熱を、断熱材に蓄熱させて利用するという考え方です。 また、屋根面での遮熱に加えて天井に断熱をする理由は、暖房の際に暖める気積量を軽減し、暖房効率を高める…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その35/今後の家づくりの方向性⑤なぜ屋根面を高遮熱なのか

夏は水平面、つまり屋根面に降り注ぐ直射量が圧倒的に多く、それによって発生する大量の輻射熱が建物内に移動し、暑さの大きな原因となっています。 これが、二階建てであれば二階部分が暑くなる、あるいは平屋建てであれば家全体が暑くなる理由です。 屋根…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その34/今後の家づくりの方向性④高断熱+高遮熱

寒さ対策と冷房頼みにしない暑さ対策を両立するためには、どうすれば良いのでしょうか。 そのためには、壁・床・天井にしっかりと断熱を施し、屋根面でしっかりと遮熱することです。 ちなみに、一年を通して温暖な地域での建物づくりや、全館空調での建物づ…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その33/今後の家づくりの方向性③全館空調はNG

全館空調の家の場合、空調のスイッチを入れてもすぐに冷えたり温まったりしないため、基本的には24時間冷房(暖房)となります。 つまり、夏は家中どこでもいつでも冷房の中となるのです。 汗をかけない体質を防止するうえでは、最も望ましくない家づくりの…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その32/今後の家づくりの方向性②高温と多湿が重なる栃木県

皆さん、低温と乾燥、高温と多湿が重なるのは、当たり前だと思っていませんか。 実は、世界的に見れば東南アジアなどの限られた地域における気候の特長なのです。 そして、湿度が高いほど、体感温度も高くなります。 栃木の夏は、高温と湿度が重なります。と…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その31/今後の家づくりの方向性①寒暖差の大きい栃木県

栃木県は、冬の寒さと夏の暑さの差が大きい地域です。 冬の気温が宇都宮市と同じような都市であるドイツのミュンヘンと比較してみると、一年を通しての寒暖差が大きいことが良く分かります。 冬の気温は同じようでも、夏の気温には大きな開きが生じており、…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その30/建物内の温度上昇を抑制するために⑫高性能遮熱材の効果

写真は、ストーブを使って2つの箱に数時間熱を当てたときの温度比較実験です。 左は高性能遮熱材で造った箱、そして右は高性能断熱材で造った箱です。 それぞれの箱を家、ストーブを真夏の太陽と想定してみて下さい。 家の中の温度はどうでしょうか。 これ…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その29/建物内の温度上昇を抑制するために⑪遮熱シートの種類

同じように見えるアルミ遮熱シートでも、大きく分けて2種類あります。アルミ蒸着タイプとアルミ箔タイプです。 見た目では判断がつきませんが、アルミ蒸着タイプはポリエチレン等のフィルムにアルミの粉を吹き付けたものです。 ですので、見た目には分から…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その28/建物内の温度上昇を抑制するために⑩遮熱シートと遮熱塗料の違い

赤外線とは780~10万nm(ナノメートル)の波長域の光のことで、強い熱作用があるという特長があります。このことから、赤外線は熱線とも呼ばれています。 そして、赤外線は波長の長さによって近赤外線、中間赤外線、遠赤外線の3つに分類されます。 遮熱塗料が…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その27/建物内の温度上昇を抑制するために⑨断熱材と遮熱材の違い

断熱材は熱伝播遅行型熱吸収材であり、蓄熱材です。熱を吸収することで熱の伝わる時間を遅らせるのが、断熱材の持つ機能です。 断熱材を厚くする、断熱材の性能を上げるということは、蓄熱する量を増やすことで、熱の伝わる時間をより長く稼ぐということです…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その26/建物内の温度上昇を抑制するために⑧輻射熱の反射率

断熱材は輻射熱のほとんどを吸収します。 一方で、輻射熱に効果的、つまり輻射熱の反射率が高いのは、どんなものなのでしょうか。 表から、銀、金、アルミの輻射熱(放射熱)に対する反射率が極めて高いことが分かります。 ただし、銀と金は非常に高額なため、…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その25/建物内の温度上昇を抑制するために⑦断熱材と輻射熱

暑さの原因の多くは、上からくる大量の輻射熱ですので、断熱材と輻射熱の関係を見てみることにしましょう。 断熱材の素材だけでなく、断熱材の中に閉じ込めた空気やガスも電磁波を通します。 このことは、断熱材が熱移動において多くの割合を占める輻射熱の…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その24/建物内の温度上昇を抑制するために⑥断熱材の機能

暑さの多くは上からくる、その熱のほとんどが輻射熱となれば、暑さ対策において輻射熱への対応が重要であり、必要不可欠であるということとなります。 では、ほとんどの建物に熱対策として使用されてきた断熱材は、熱移動にどのような効果を発揮するのでしょ…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その23/建物内の温度上昇を抑制するために⑤上から下への熱移動

夏は水平面が大量の日射を受ける、暑さの原因の多くは上からきているということは、ご理解いただけたことと思います。 では、上から下に移動する熱における熱移動の3要素の割合はどうなっていたでしょうか。 上から下へ熱が移動する場合において、輻射熱(放…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その22/暑さ対策の勘違い③風通しを良くする

暑さ対策として、風通しの良い間取り、設計をというような話もよく耳にします。最近では、そういったことをパッシブというような言葉で表現することもあります。 しかし、最近は温暖化で気温が上昇し、冷房を使う機会が相当に増えています。 さて皆さん、冷…

汗をかけない体質を防止するために(乳幼児期の子育てでとても大切なこと)その21/暑さ対策の勘違い②軒を深くする

よく、軒を長く出すと暑さ対策に効果的だといわれます。本当にそうなのでしょうか。 直達日射量のグラフでご覧いただいたように、南面が受ける日射量は多くありません。 一方で、東と西の太陽は角度が低くなりますので、軒を少しくらい長く出したところで、…