遮熱のことを知ろう-38

進む温暖化に備えてこれまでの暑さ対策を見直そう⑤

断熱を強化する-Ⅰ

 

 

グラフは、夏のある日に「高気密高断熱の家の屋内温度」「低断熱の家の屋内温度」「建物の外(正式な観測地点の気温ではありません)」の3ヶ所で温度を計測したものです。

熱伝播遅効型熱吸収材料である断熱材は、熱を吸収(蓄熱)することで、熱の伝わる時間を遅らせてくれます。

ですので、高断熱の場合は屋内の温度が上昇するのを抑制してくれます。

これは高断熱のメリットです。

しかし、高断熱(蓄熱量が多い)であるが故に、外気温が下降に転じても高断熱の屋内温度はしばらく上昇を続け、日没から日の出までの間もあまり下がることがありません。

時間帯によっては、低断熱の屋内温度のほうが低く、外気と比べると大きな温度差が生じてしまいます。つまり、夜間は外のほうがよっぽど涼しい、過しやすいという現象を招くのです。

そして、これが高断熱のデメリットです。

グラフの点線は、日中外部で仕事あるいは学校や幼稚園、夜間は高断熱の住宅内で過す方々の夏期における温熱環境パターン(移動は考慮せず)です。

労働施設や学習施設は断熱の低い建物が多いですから、日中は低断熱で暑い建物の中、夜間は高断熱で暑い建物の中、つまりは一日中暑い建物の中で過すこことなり、温暖化と相まって、一日中冷房の中で過すようになっていくということです。

 

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