2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

暑さ対策Q&A⑪

Q.全館空調にする?-Ⅱ 電気と二酸化炭素排出量 A.全館空調は、当然のことなのですが、リビングだけというような局所冷房よりも電気を消費します。 しかも、24時間ずっと空調(冷暖房)しっぱなしとなれば、尚更です。 電気はエコであると勘違いされがち…

暑さ対策Q&A⑩

Q.全館空調にする?-Ⅰ 全館空調はエコ? A.全館空調は快適です。夏でも冬でも建物内にほとんど温度差がなく、とても過しやすいです。 私も以前に何棟か手掛けさせて頂きましたし、体験してきましたし、推奨していました。 しかし、冷房の弊害、特に汗を…

暑さ対策Q&A⑨

Q.冷房効率の良い建物をつくる?-Ⅱ 冷房頼みにしない暑さ対策 A.冷房の中で過す機会が多いということは、それだけ冷房の弊害に見舞われる可能性も高くなるということです。 では、どのような冷房による健康面でのリスクが考えられるのでしょうか。 冷房…

Q.冷房効率の良い建物をつくる?-Ⅰ

Q.冷房効率の良い建物をつくる?-Ⅰ 冷房頼みにした暑さ対策 A.冷房効率の良い建物にするということは、ある意味で暑さ対策に有効です。 そして、高気密高断熱にすることで、冷房効率は向上します。 しかしそれは、暑さ対策を冷房頼みにするということで…

暑さ対策Q&A⑦

Q.遮熱を施す-Ⅱ? 遮熱材は施工の良し悪しも重要 A.遮熱材に関してもう一つ注意して頂きたい点は、扱い方(施工方法)です。 遮熱シートの多くは、アルミ製品です。 そして、アルミは熱伝導率が高い素材です。 例えば、断熱材とピッタリ合わせて使用すると…

暑さ対策Q&A⑥

Q.遮熱を施す-Ⅰ? 遮熱材もきちんと選ぼう A.遮熱材は熱(輻射熱)を撥ね返す材料なので、暑さ対策に多いに効果的です。 ただし、様々な種類があり、ものによって性能(熱の反射率)に大きな開きがありますので、注意が必要です。 性能をしっかりと見極めて…

暑さ対策Q&A⑤

Q.高断熱にすれば暑さを防げる?-Ⅱ 二世帯住宅は二階の暑さに注意 A.断熱性能を高める、つまり蓄熱量を増やすことによって、冷めにくくなるということがとても分かりやすい例は、天気が良く暑さの厳しい日の夜に、冷房を掛けていない2階(最上階)と、外…

暑さ対策Q&A④

Q.高断熱にすれば暑さを防げる?-Ⅰ 高断熱は高蓄熱 A.断熱材は蓄熱材です。 正確には「熱伝播遅効型熱吸収材料」なのです。 つまり、熱を吸収することで、熱が伝わるのを遅らせるという機能の材料です。 ですので、断熱性能を上げる、断熱材を厚くすると…

暑さ対策Q&A③

Q.通風(風通し)の良い間取りにすれば? 風通しと冷房 A.皆さんに私から質問です。 「冷房を使う時に窓はどうしますか?」 そうです、風通しを良くするという暑さ対策は、冷房を使わないで済む程度の暑さ、冷房を使わない前提での暑さ対策です。 温暖化が…

暑さ対策Q&A②

Q.西日対策をしっかりすれば大丈夫? 住まいの暑さ対策 A.暑さ対策において、西日の影響を抑えることは大切な要素のひとつです。 しかし、東面に比べて西面が受ける日射量が多いというわけではありません。 西面と東面がうける日射量は同程度なのです。 …

暑さ対策Q&A①

Q.軒を深く出せば効果があるのでは? 暑さの多くは上から A.効果がないわけではありませんが、かなり限定的です。 なぜならば、夏期に南面が受ける直達日射量は少ないからです。 これは、夏期の太陽高度が高くなることによるもので、その結果、水平面=屋…

熱移動について考える⑱

これからの家づくり これからの家づくりは暑さ対策もしっかりと これまでの家づくりは、如何に断熱性能を高めるかという方向で進められてきました。 より高性能な断熱材、より厚い断熱材を使用することが、いい家づくりであり、省エネ(エコ)でもあると考えら…

熱移動について考える⑰

遮熱材施工の注意点 遮熱施工の注意点 アルミは反射率が高い素材ですが、熱伝導率が高い素材でもあります。 したがって、高温のものに直に触れていれば直ぐ熱くなってしまいますし、冷たいものに直に触れていればあっという間に冷たくなってしまいます。 こ…

熱移動について考える⑯

アルミ遮熱材の違いその4/耐久性 アルミ遮熱材にも耐久性の違い ほとんどの遮熱シートは、エアーキャップ生産マシーンを利用し、接着剤で貼り合せて製造します。 しかし、接着剤は劣化します。せっかく耐久性に優れたアルミを使用しながら、耐久性を大幅に…

熱移動について考える⑮

アルミ遮熱材の違いその3/アルミ箔の厚み アルミ箔の厚みに注意 遮熱シートは、薄ければ薄いほど性能を発揮できます。 薄いほど、輻射熱の影響を受けにくくなるからです。 暑いほど、そのシートの中の分子数が多くなり、それだけ輻射熱の影響を受けやすく…

熱移動について考える⑭

アルミ遮熱材の違いその2/アルミ箔の反射率 遮熱材は反射率が重要 アルミの反射率は92.45%(アルミ金属国際基準の認定値)です。 ですので、高純度アルミ箔を表面に加工しただけでは、これを超える反射率を得ることは出来ません。 もし、このアルミ反射…

熱移動について考える⑬

アルミ遮熱材の違いその1/アルミの種類 遮熱材もしっかり選ぼう 同じように見えるアルミでも、大きく分けて2種類あります。 アルミ蒸着とアルミ箔です。 アルミ蒸着はポリエチレン等のフィルムにアルミの粉を吹き付けたような状態で、反射率は35~60…

熱移動について考える⑫

断熱材と遮熱材の違い 暑さ対策は如何に輻射熱を防ぐか 断熱材は「熱伝播遅行型熱吸収素材」とも言います。つまり「ゆっくりと熱を伝える」ことと「熱を吸収する」素材です。 一方、本当に高性能な遮熱材であれば、輻射熱のほとんどをはねかえします。 つま…

熱移動について考える⑪

アルミ材による遮熱 高性能遮熱材(遮熱シート) 前回の表から、銀、金、アルミの反射率が極めて高いことが分かります。 ただし、銀と金は非常に高額なため、アルミが輻射熱対策の材料として使われるようになってきたのです。 そして、それらは遮熱材と呼ばれ…

熱移動について考える⑩

輻射熱にはどう対処すればいいのか 輻射熱には反射材 断熱材を含めたほとんどの建築材料は輻射熱に対する反射率が低く、輻射熱を吸収してしまいます。 そこで、輻射熱の影響を防ぐには反射率の高いものを熱移動対策として使用することが必要となってきます。…

熱移動について考える⑨

夏の直達日射量 夏の暑さは上から グラフは、東京における夏至の直達日射量を表したものです。 グラフから読み取れるように、夏は圧倒的に水平面が受ける日射量が多くなります。 つまり、屋根が大量の日射を受け、それによって大量の輻射熱を発生させること…

熱移動について考える⑧

下方への熱移動に占める輻射の割合 上からくる熱のほとんどは輻射熱 上から下へ熱が移動する場合において輻射熱(放射熱)が占める割合は、なんと93%にも及びます。 ですので、上から押し寄せてくる熱のほとんどが、輻射熱(放射熱)によって起きているのです…

熱移動について考える⑦

断熱材は熱移動にどんな効果がある?-Ⅱ 断熱材と輻射熱 空気やガスは電磁波を通します。 このことは、断熱材が輻射熱(放射熱とも呼ばれます)の影響を受けるということを意味します。 なぜなら、電磁波が物質に衝突することで物質の分子が振動し、熱が放出さ…

熱移動について考える⑥

断熱材は熱移動にどんな効果がある?-Ⅰ 熱伝播遅効型熱吸収材料 空気の熱伝導の低さを利用しているのが断熱材です。 断熱材は中に空気を閉じ込め(さらに熱伝導の低いガスを閉じ込めているものもあります)、それによって壁や天井などに空気の層を設けることで…

熱移動について考える⑤

熱移動の3要素の割合 上からくる熱の大半は輻射熱 それまでは熱移動の大半は対流と伝導で起こると考えられてきましたが、1920年から輻射による熱移動の考え方が体系化され、ペンシルバニア州立大学とオークリッジ国立研究所によって報告がなされ、熱移…

熱移動について考える④

輻射熱(放射熱) 暑さ対策は輻射熱対策 あらゆる物質は熱を放射(※1)しています。ただしそれは電磁波として放射されており、電磁波そのものには熱はありません。 しかし、電磁波が物質に衝突することで物質の分子が振動し、熱が放出されます。 電子レンジは電…

熱移動について考える③

伝導熱 暑さ対策には熱移動の3原則を知ることから 物質と物質が直に接することによって熱が移動することを言います。 熱は高温部から低温部へと伝わりますから、氷枕を当てれば頭が冷やされますし、湯たんぽを当てれば足が暖められるというわけです。 また…

熱移動について考える②

対流熱 暑さ対策は熱移動の3原則を知ることから 加熱された物質(気体、液体)が流動することによって熱が移動することを言います。 水や空気を暖める場合、暖められた水や空気は流体となって上昇(移動)します。 つまり、物質が熱を持って移動することとなり…

熱移動について考える①

熱移動の3要素 熱対策は熱移動を知ることから 一般的に熱は高温部から低温部へ移動する性質を持っており、熱の移動は熱伝導とも呼ばれています。 そして、熱は3つの要素によって移動します。それは、「対流」「伝導」「輻射」という3要素です。 つまり、…

冷房嫌いの人でも快適に過ごせる平屋づくり(冷房を好まない人は平屋を建ててはいけない?)㉑

すでに建ててしまった方はリフォームで リフォームで暑さ対策 屋根裏に潜ることの出来る屋根形状でしたら、後から高性能遮熱材を施工することが可能です。工期は3日前後です。 出来ることなら冷房頼みにしない暑さ対策をと思ったら、ご検討下さい。 資料の…