2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧
熱移動の3要素(3原則) 暑さ対策を実施するうえで、熱がどのように伝わってくるのかをしっかりと把握しておくことが欠かせません。 そこでまず、熱移動の3要素、あるいは熱移動の3原則についておさらいしてみましょう. 一般的に熱は高温部から低温部へ移…
直達日射量 夏の直達日射量は、グラフから読み取れるように、圧倒的に水平面が多いのです。 ですので、水平面からくる大量の日射で発生する大量の輻射熱(放射熱)に対処出来なければ、屋根に近い空間が暑くなるということであり、これが二階建てであれば二階…
一年を通しての快適性向上のために 一年を通しての寒暖差が大きな地域である栃木県。 ドイツの大都市で最も南に位置するミュンヘンと宇都宮の気温を比較してみると、冬は同じような気温でも、夏に大きな開きが生じていることが分かります。 それだけ寒暖差が…
パターン4/同じ面積・地形でも道路付で 同じ面積、同じカタチの土地であっても、道路の方向で陽当りに違いが生じてきます。 特に北側一面道路の場合、道路側に並列で駐車スペースを確保しようとすれば、南側の離隔距離がかなり削られます。 平屋建てのほう…
パターン3/同面積でも東西南北の比率で 長方形でカタチの整った土地でも、東西に長いのか南北に長いのかによって、陽当りの良し悪しが変わってきます。 南北に長いほうが、陽当りを確保しやすいというケースが多くなります。 ただし、リビングと全ての居室…
パターン2/北側に角切りがある場合 北側に大きめの角切りがある土地の場合にも、北側が狭くなっている場合と同様のことがいえます。 北側の離隔距離を多く取らざるを得ないケースが生じやすく、陽当りに影響を及ぼしやすいということですね。 また、設計の…
平屋建ては、敷地面積に対して基礎面積の占める割合が大きくなります。 例えば、敷地面積80坪で建物延床面積40坪の場合、敷地に占める基礎面積は総二階建てだと25%ですが、平屋建てでは40%を占めます。 そこに、敷地境界からの離隔スペース、公共…
近年、汗をかけない、あるいは汗をかきにくい体質の方が増えています。 汗をかけるか否かは、3歳くらいまでに決まってしまいます。 なぜそうなるのか、それは3歳までの期間に冷房の効いた空間で過すことが多く、汗を十分にかけなかったからです。 そして、…
同じ温度でも、湿度が下ると体感温度は下ります。 ですので、湿度を下げることが出来れば、涼しく感じます。 そこで、除湿というわけですね。 また、汗をかいたときに、湿度が下ることで汗が蒸発しやすくなります。 汗が蒸発する際に放出する熱量は大きく、…
暑さ対策として、Low-Eガラスもお勧めです。 Low-Eガラスには、断熱タイプと遮熱タイプがあります。 場所や気候にもよりますが、冬寒く、夏暑い地域では、直射日光のあたらない北側や水周りを断熱タイプ、他を遮熱タイプがお勧めです。 冬のことだけ…
夏の直達日射量のグラフからお分かりのように、西面の直達日射量と東面の直達日射量は同じです。 そして、両面とも太陽高度が比較的低い時間帯に直射を受けることとなります。 また、南面の直達日射量は少ないといっても、真南に向けて建物を建てられるケー…
寒暖差の大きな地域ですので、暖房、冷房を全く使わない家づくりというのは、難しいでしょう。 そこで、どのような暖房と冷房を考えるのかということも、快適性や経済性、省エネ性に関わってきますね。 ここにご紹介します「エコウィンハイブリッド」は、輻…
■寒さ対策 壁・床・天井をしっかりと断熱して冬の暖房効率を高めるとともに、太陽高度が低くなる寒い時期には、壁面からくる太陽の赤外線によって発生する輻射熱を蓄熱して利用する。 ■暑さ対策 太陽高度が高くなって上からくる大量の輻射熱が発生する夏は、そ…
写真は、ストーブによる加熱でのBOX内の温度比較実験です。 左は高性能遮熱材で造った箱、そして右は高性能断熱材で造った箱。それぞれの箱を家、ストーブを真夏の太陽と想定してみて下さい。 家(箱)の中の温度はどうでしょうか。これが高性能遮熱材の効…
暑さの原因が分かれば、次はその原因に対してどう対処するかです。 対処方法は「水平面(屋根面)が大量の直達日射量を浴びる⇒それによって上から大量の輻射熱が下へ押し寄せてくる⇒それを撥ね返す」ということになりますね。 では、輻射熱を撥ね返すことの出…
上から大量の輻射熱が押し寄せてくる。そして、断熱材はその90%を蓄熱し、放熱する。これこそが最上階、2階建てであれば2階が暑くなる原因であり、平屋建ての場合は家全体が暑くなるということでもあるのです。 つまり、屋根の直ぐ下の空間が暑くなりや…
断熱材は輻射熱の90%を吸収し、そして放射(輻射熱を伝える)します。 このことは、断熱材が輻射熱をはね返すということに関しては、殆ど効果がないことを意味します。 つまり、輻射熱を蓄熱し、やがて放射して、熱を伝えるということなのです。 以前に、断…
前回で暑い時期には屋根面から大量の熱が押し寄せてくるので、その大量の熱を建物内に入れないことが暑さ対策にとって重要であるということをお伝えしました。 では、上から下に移動する熱を熱移動の3原則に則って視てみるとどうでしょうか。 なんと、93…
グラフから、夏は水平面への直達日射量が非常に多いことが分かります。 思いのほかといっても良いでしょう、南面の壁が受ける直達日射量は少ないのです。 これは、夏は太陽の高度が高くなるからです。 東京(北緯35度を仮定)を例に挙げると、夏至の日におけ…
断熱性能を高める、つまり蓄熱量を増やすことによって、冷めにくくなるということがとても分かりやすい例は、天気が良く暑さの厳しい日の夜に、冷房を掛けていない2階(最上階)と、外の温度(体感温度)を比べてみることです。 外は無断熱といっていいでしょう…
断熱材は、熱伝播遅効型熱吸収材料といいます。 つまり、熱を吸収することで熱が伝わるのを遅らせる、熱の伝わる時間を稼ぐというものが、断熱材の機能です。 そして、断熱性能を上げる、断熱材を厚くするということは、吸収出来る熱量を増やすということで…
環境省が作成した2100年夏の予想最高気温を見ると、夏の暑さが極めて厳しくなる可能性のあることが分かります。 軒並み40℃を超える暑さ、危険な暑さです。 住宅の省エネ基準の地域区分で最も温暖な8地域に区分されている小笠原が、避暑地となるという…
温暖化によって気温が上昇し、熱中症のリスクが高まっていきます。 温室効果ガスの排出削減量によっては、東京で真冬に夏日という想定もなされています。 今から家づくりをするとき、今後何年、あるいはいつ頃まで、その家を使うことになるのでしょうか。 こ…
私たちにとって高温多湿は当たり前でも、世界的に見れば高温多湿は当たり前ではありません。 東アジアでは当たり前でも、ヨーロッパなどでは冬に湿度が高くなり、夏に湿度が低くなるのです。 しかし、日本、栃木は、高温と多湿が重なります。 同じ気温でも、…
少し古いデータにはなりますが、宇都宮とミュンヘンの月別気温比較表です。 表から分かることは、冬の気温には大差はないが、夏の気温差には大きな差が生じているということです。 ミュンヘンは、ドイツの大都市の中で一番南に位置しています。それでも夏は…
住宅の省エネ基準をみてみると、東京都の小笠原村、沖縄県、鹿児島県の奄美市や瀬戸内町など、日本では最も温暖な地域として区分されている8地域においては、躯体の熱貫流率(U値)の基準値が、屋根または天井以外は設けられていません。 躯体の熱貫流率の基…
寒さ対策は重要であり、そのために断熱を施す、高断熱にするということは必要なことです。 しかしそれは、暑さを犠牲にしての寒さ対策であることがご理解いただけたでしょうか。 もし、ただ単に断熱性能を上げるだけで暑さ対策にもなるのであれば、無断熱の…
木陰と屋内を断熱という視点で見てみましょう。 木陰は無断熱といっても良いでしょう。 一方で、住宅の内部は高断熱(ある程度の断熱が施工されていることを想定)です。 どうでしょうか。 直接太陽の赤外線が当たらないという点では同じであるにもかかわらず…