2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

これまでの家づくりは暑さを犠牲にした寒さ対策、これからの家づくりは寒さ対策と暑さ対策の両立5「室内も木陰と同じ?」

屋内も直射日光があまり当たらないという点では、木陰と同じといってもいいでしょう。 窓から直射が差し込むとは言うものの、太陽の赤外線が直接屋内に届いている量は、少ないはずです。 しかし、実際にはどうでしょうか。 屋内は木陰と同じで涼しいでしょう…

これまでの家づくりは暑さを犠牲にした寒さ対策、これからの家づくりは寒さ対策と暑さ対策の両立4「熱移動の3原則」

前回と前々回で、輻射熱と伝導熱について述べましたが、ここで熱移動の3原則についておさらいしたいと思います。 一般的に熱は高温部から低温部へ移動します。そして、熱は3つの要素によって移動します。 それは「対流」「伝導」「輻射」という3要素です…

これまでの家づくりは暑さを犠牲にした寒さ対策、これからの家づくりは寒さ対策と暑さ対策の両立3「お風呂の30℃はどう感じる?」

同じ30℃でも、湯温30℃のお風呂に入ったらどうでしょうか。 寒く感じることでしょう。 なぜでしょうか。 湯船に浸かった状態では、身体とお湯が直接接しているので、その際に感じる熱は伝導熱です。 そして、熱は高い方から低いほうへと移動します。 体温…

これまでの家づくりは暑さを犠牲にした寒さ対策、これからの家づくりは寒さ対策と暑さ対策の両立2「輻射(放射)熱」

ある種の電磁波が物質に当ることにより、その物質の分子が高速に振動することで熱が発生することを、輻射(放射)熱といいます。 そして、その代表的なものが太陽の赤外線です。 ですので、日向にいると身体が太陽の赤外線を直接浴びることとなり、人体の分子…

これまでの家づくりは暑さを犠牲にした寒さ対策、これからの家づくりは寒さ対策と暑さ対策の両立1「日向と木陰」

気温30℃の時、直射日光の当たる場所にいると相当な暑さを感じます。 しかし、木陰に入ると、暑さは随分と和らぎます。 ケースによっては、涼しく感じられます。 ちょっとまった、そんなことは百も承知とおっしゃりたいことでしょう。 当たり前のことと言え…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊸/おわりに

温暖化で気温が上昇していきます。暑さが厳しさを増していきます。 それに伴って、熱中症のリスクも高まります。 それをひたすら冷房に頼っていけば、温暖化を助長することになるだけでなく、健康面にも影響を及すこととなるでしょう。 環境面からも、健康面…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊷/例えばこんなことに

屋根面に反射率の高い高性能遮熱材を使用すると、下記のようなことが実現可能です。 建物や畜舎等の空調頼みにしない暑さ対策 建物に付随する温室効果ガス排出の削減 工場や倉庫等の熱中症対策と労働環境の改善 工場や作業所等の温度管理制度の向上 一年を通…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊶/反射率の向上

輻射熱は分子が振動して発生しますので、遮熱材は断熱材とは逆で、薄ければ薄いほど効果が高まります。 なぜなら、薄いほうが分子の数が少ないからです。 私たちが使っている遮熱材は厚さ7.2ミクロン(1000分の7.2ミリ)という薄さです。 ちなみに、日…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊵/アルミによる遮熱

建物の暑さ対策として、屋根面での輻射熱対策が極めて重要であり、そのためには輻射熱に対する反射率の高いものを使用する必要があるということを、ご理解いただけたでしょうか。 それでは、どんなものの反射率が高いのでしょうか。 表から、銀、金、アルミ…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊴/輻射熱への対処の必要性

断熱材(他の建築材料のほとんども)は、輻射熱(放射熱)に対する反射率が低く、輻射熱のほとんどを吸収し、そして放熱することを学んでいただきました。 このことは、断熱材だけでは、熱対策の材料として不十分であることを意味します。 もっと高いレベルで熱…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊳/下方への熱移動に占める輻射の割合

前回で、暑さの原因の多くは上から押し寄せてくることを学んでいただきました。 また、以前に熱移動の3要素の割合をお示しいたしました。 ここであらためまして、上から下へ移動する熱の割合を見てみましょう。 上から下へ熱が移動する場合において、輻射熱…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊲/夏の直達日射量

熱移動の3要素の割合、断熱材の機能を学んでいただきましたが、今回は建物内の暑さの原因のひとつとなる夏の直射日光がどの面に多く降り注ぐのかを見てみましょう。 以外に感じるかも知れませんが、南壁面の直達日射量は少ないのです。そして、水平面が圧倒…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㊱/断熱材は熱移動にどんな効果がある-Ⅱ

断熱材の素材だけでなく、空気やガスも電磁波を通します。 つまり、このことは断熱材が熱移動において多くの割合を占める輻射熱(放射熱とも呼ばれます)の影響を受けるということを意味するのです。 なぜなら、電磁波を通すということは、電磁波が断熱材の素…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉟/断熱材は熱移動にどんな効果がある-Ⅰ

熱対策において、輻射熱への対応が重要であり、必要不可欠であることはご理解頂けたことと思います。 ところで、ほとんどの建物に熱対策として使用されてきた断熱材は、どのような熱移動に効果的なのでしょうか。 空気の熱伝導の低さを利用しているのが断熱…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉞/熱移動の3要素の割合

熱移動の3要素における割合はどのようになっているのでしょうか。 そして、割合の大きなものに対処出来るか否かが、建物内の温度上昇を抑制するうえで効果的かどうかということになってくるわけです。 それまでは熱移動の大半は対流と伝導で起こると考えら…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉝/日向と日陰

気温30℃の時、直射日光の当たる場所にいると、相当な暑さを感じます。 しかし、日陰に入ると涼しく感じます。 体温が36.5℃だとすると、気温はそれより低い温度なので、本来であれば涼しく感じるはずです。 それでも暑く感じるのは、輻射熱の影響です。 …

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉜/原子(分子)の話し

輻射熱のところで分子に触れていますので、ここで分子についておさらいしておきましょう。 全ての物質は原子から出来ています。もちろん人体も然りです。 原子のまん中には原子核があって、その周りを電子が取り囲んでいます。 原子核は単に核ともいい、原子…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉛/輻射熱(放射熱)

熱移動の3要素のみっつめ、輻射熱についてです。 あらゆる物質は熱を放射しています。ただしそれは電磁波として放射されており、電磁波そのものに熱はありません。 しかし、電磁波が物質に衝突することで物質の分子が振動し、熱が放出されます。 電子レンジ…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉚/伝導熱

熱移動の3要素のふたつめ、伝導熱についてです。 伝導熱とは、物質と物質が直に接することによって熱が移動することを言います。 熱は高温部から低温部へと伝わりますから、氷枕を当てれば頭が冷やされますし、湯たんぽを当てれば足が暖められるというわけ…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉙/対流熱

熱移動の3要素のひとつめ、対流熱についてです。 対流熱とは、加熱された物質(気体、液体)が流動することによって熱が移動することを言います。 水や空気を暖める場合、暖められた水や空気は流体となって上昇(移動)します。 つまり、物質が熱を持って移動す…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉘/熱移動の3要素

居住場所や建物内で熱中症にかかるケースが多いということは、建物内部が暑いということを意味するでしょう。 建物内部は、あまり直射日光を受けていないのにもかかわらず暑くなる。 建物という視点から熱中症対策をとるためには、なぜそうなるのかを把握す…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉗/熱中症の発生場所

熱中症にかかる場所として、住居等居住場所が圧倒的に多くなっています。 年齢に関係なく、全体で見た場合で、43.1%が居住場所となっています。 そして、65歳以上の方々に限ってみれば、約6割を居住場所が占めているのです。 更に、住居場所以外でも…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉖/人助けでストレス解消

人助けをしたり、人に親切にしたりすると、親切にされた人だけではなく、親切にした人もセロトニン濃度が上昇するのだそうです。 脳のセロトニン濃度が上昇するということは、セロトニン神経が活性化し、癒されていることを意味します。 つまり、人のために…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉕/怒ると血液ドロドロ

笑顔が副交感神経に作用して自律神経を整え、ストレスを和らげたり、免疫を上げたりする一方、怒りは自律神経のバランスを崩してしまいます。 怒っているときは、交感神経が過剰に緊張し、血管が収縮してしまいます。 そして、血管が収縮すると血球破壊が生…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉔/泣くもまた良し

私たちの体は、起きているときは交感神経が優位に働き、リラックスしたり眠ったりしているときは副交感神経が優位に働きます。 そして、その両方の自律神経のバランスが整ったときに、最も健康な状態が保たれるといわれています。 しかし、不規則な生活や過…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉓/笑いと免疫力

楽しいから笑顔になるというのは、当たり前でしょう。しかし、笑顔でいると楽しくなるというのも事実で、脳科学的にも証明されています。 笑顔でいると脳の腹側被蓋野とよばれるドーパミン神経系の拠点が刺激されることで、ドーパミンが放出されます。 それ…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉒/冷たいものの摂り過ぎにも注意

体温は、高い方が免疫力は高まります。体温が0.5度下がると、免疫力は35%低下するともいわれています。 そして、腸は消化や吸収の他に、体内の熱をつくる役割も担ってくれています。 ですので、胃腸が冷えていると熱をつくる量が減少し、体温が上がりに…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう㉑/免疫力の維持向上(腸と食物繊維)

腸内の善玉菌を増やしても、維持出来なければ元も子もありません。 維持するためには、善玉菌に餌をあげる必要があります。その餌となるのが、食物繊維です。 ですので、しっかり野菜も摂るようにしましょう。 植物の葉緑素と私たちの赤血球(ヘモグロビン)は…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう⑳/免疫力の維持向上(腸と腸内細菌)

健康にとって、免疫力は大切です。それは熱中症を予防するうえでも同様ですね。 その免疫の70%は、腸で作られています。だから、腸内環境の良し悪しは非常に大切なのです。 腸内環境を良好に保つためには、腸内細菌の善玉菌が鍵となります。 そして、善玉…

人と建物、2つの視点から熱中症に備えよう⑲/水分補給の注意点(塩分)

汗に含まれる塩分量は0.3%、1リットルの汗をかくと3グラムの塩分が失われます。 しかし、普通の人が1日にかく汗の量は700ミリリットル、失われる量は2.1グラム。 発汗以外でも塩分を失いますが、日本人が1日に摂取する塩分量は平均10.2グラム…